車の中で 洗顔、はみがき、コンタクト。


 ベッドの「下地」の右側の中央部分は蓋が開くようになっています。右の写真のように、蛇口と鏡をセットすれば、ちょっとした洗面コーナーになります。この部分はすべて手作りです。

 ここで顔を洗い、歯をみがき、コンタクトレンズの装(脱)着をします。とくに、コンタクトレンズを外で扱うのはとても不安ですから、どうしても車の中に洗面コーナーが必要になります。

 

 洗面コーナーの下に給水タンク(20L)と排水タンク(10L)があります。20Lの水があれば2泊3日程度の生活用水をまかなうことができます。排水タンクを小さくしているのは、捨てに行くときに大きなタンクを持ち運ぶのが嫌だからです。

 なお、万一、水がこぼれてもいいように、タンクの下および周囲をビニールシートで囲っています。

 20Lの水で足りそうにない場合には、写真の右にある予備のタンク(20L)にも水を入れて行きます。

「フットスイッチ」と「節水タイプ」

 蛇口からの水は、給水タンクの中に入れた水中ポンプで汲み上げます。下の写真は、そのポンプの電源をON/OFFするための「フットスイッチ」です。手作りです。右の写真の右下部分に「マイクロスイッチ」があります。また、事務用クリップのばねを利用して、フットスイッチを踏み込んだ後に踏板が戻るようにしています。


 蛇口からは下の写真のように水が出ます。左は通常の水量ですが、右は水量を少なくしています。つまり、「節水タイプ」なのです。20Lの水を無駄使いしないための工夫です。


 蛇口から出る水の量を調節するための「パワーコントローラー」です。500Wまでの電気器具の電力をコントロールできます。趣味の工作で30年程も昔に作ってそのまま棚の奥に眠っていたものが、今になって役に立つときが来ました。

水中ポンプの秘密

 下の写真(左)は、蓋の中央にあけた穴を通して、タンク内のポンプから蛇口につながるホースと電源コードとを引き出している様子です。右の写真は、蓋を開けて水中ポンプを引き出したところです。


 この水中ポンプにも工夫があります。下の写真(左)は、肉厚のゴム管の内径より少し大きめのプラスチックの玉に、テグスを通したものです。この写真(左)のものを、写真(右)のように水中ポンプの水の出口部分に差し込んでいます。

 写真(右)のプラスチックの玉と肉厚のゴム管との間には、実際には少しの「隙間」があります。適当な「隙間」ができるように、テグスの長さを調節します。この状態で、プラスチックの玉と肉厚のゴム管の上からホースを差し込んだものが、上の写真(右)です(この写真をクリックし拡大して見ると、ホースの中にプラスチックの玉と肉厚のゴム管が組み込まれている様子が、透けて見えます)。


 これが何をするためのものかお分かりでしょうか。ポンプから水が汲み上げられるとき、水はその「隙間」の部分を通ってホースの中に出て行きます。これで、蛇口から水が出ることになります。

 ここで、ポンプの電源がOFFになって、水が汲み上げられなくなったとしてください。蛇口部分はタンクより高いところにあるために、ポンプから水が押し上げられなくなると、ホースの中にたまっている水はその重さによってタンクの中に戻ってしまいます。そうなると、再びポンプの電源をONにしても、タンクの中から蛇口まで水が上がってくるのに時間がかかることになります。この「タイムラグ」(蛇口から水が出てくるまでの待ち時間)があると、とても使い勝手が悪いのです。

 

 そこで、再び上の写真(右)をご覧ください。ポンプの電源がOFFになってタンクの中に戻ろうとする水は、プラスチックの玉を肉厚のゴム管に押し付けることになり、水の通り道(隙間)がふさがれます。これで、水はタンクに戻らなくなります。つまり逆流防止装置なのです。逆流を100%止めることはできませんが、満足できる程度の逆流防止にはなっています。ちゃんとした逆流防止弁が販売されていますが、とても高価で手が出ませんから、このように手作りしてみました。