ベッド作りの次に手間と時間をかけました

 車の中で寝るためには、外から中が見えないようにする必要があります。また、冬になれば、外がどんなに寒くても車の中は暖かく保つ必要があります。ここでは、窓から光が漏れないようにする遮光対策と、とくに冬期の断熱対策をどのように工夫してきたのかを紹介したいと思います。

 ハイエース仕様の「遮光カーテン」や「サンシェード」と呼ばれる商品がいくつも販売されていますが、いずれもとても高価です。しかも、どのメーカーの商品も、外側が黒いのは当然としても内側までまっ黒なのです。車内照明で明るくしても周囲が黒ばかりでは気が滅入るばかりです。

まず手始めに遮光対策

 そこで、サンシェードを自作することにしました。厚さ10mmのアルミマット(表面がアルミで裏側が固めのスポンジになっていて、キャンプの時などに地面に敷くもの)を窓の大きさにあわせて切り取り、外側には黒い布地を、内側にはベージュの布地をそれぞれ重ねて、周囲をミシンで縫いました。これを、窓ガラスにマジックテープで留め、完全に窓ガラスに密着するようにしました。密着させた方が断熱効果が高くなるはずだからです(窓ガラスとサンシェードの間に空間ができると、その部分で冷やされた空気が対流を起こして車内全体が冷やされてしまいます。つまり、空気の対流が起こらないようにすることが、断熱効果を高めることになるのです)


 

 秋まではこれで十分でした。隙間もまったくできないようにして、「遮光対策」は万全でした。でも、冬になって気温が下がるにつれ、厚さ10mmのアルミマットでは、まったくと言っていいほど断熱効果がありませんでした。窓際を冷気がジワーッと流れ降りてくるのです。布団の中に入っている限りは十分に暖かいのですが、顔に降りかかる冷気は何とも我慢がならなくなってきました。

寒さ対策が必要

 そこで、さらに内側にもう一つ断熱材を取り付けることにしました。下の写真のように、窓全体を発泡スチロールの板(厚さ15mm)で覆いました。これにより、遮光対策も一層完璧になりました。今度こそ断熱効果も十分だろうと期待したのですが、寒い冬には、この厚さ15mmの発泡スチロールの板でさえも冷気が伝わってくるのです。もちろん、アルミマットだけの場合よりは間違いなく断熱効果がアップしているのですが、それでもやはり、「冬の車内は寒い」の一言でした。


 

 このハイエースに乗り換えて2回の冬を過ごしたのですが、冬期にはほとんど車中泊をすることがありませんでした(寒さのために、できなかったというのが本当のところです)。これではつまらないということで、結局のところ、FFヒーターの設置ということに意を決したのでした(続きは、ハイエース(設備編)の「FFヒーター」の部屋をご覧ください)。

 窓の断熱対策の次に実施したのは、天井の断熱対策でした。下の写真(左)は、天井の板をはずしてその裏側に「プチプチ」の3枚重ねを貼り付けたところです。これで十分かと思ったのですが、フェルトが余っていたので、写真(右)のようにこれも貼り付けることにしました。かなり厚くなった天井板ですが、無理やり天井に押し付けて元のように取り付けました。なお、両方の写真の天井裏に見えるフェルトは、もともとハイエースに取り付けられているものです。


 天井を下から手で押してみると、なにやらごわごわしているのですが、このくらいのほうが断熱効果があるのだろうと、仕上がりには満足しています。

フロントの遮光対策と「点検整備済ステッカー」の貼り替え

 最後の遮光対策は、フロント部分です。運転席のすぐ後ろにカーテンがあるのですが、夜になると車内(ベッドのある部分)の明かりがフロントから丸見えになってしまいます。フロント部分のサンシェードも手作りすることを考えましたが、つけたり外したりを繰り返すことになるので、ハイエース仕様のサンシェードを購入することにしました。

 ところで、6か月とか12か月の定期点検を受けると、下の写真(左)のように、「点検整備済ステッカー」というものが(車内から見て)フロントガラスの左上の隅に貼り付けられています。私は、点検に出した車が戻って来るとすぐ、写真(右)(フロント用のサンシェードが取り付けられています)のように、このステッカーを左端から少し内側寄りに貼り替えます。理由は、写真(右)をご覧になればすぐにわかるでしょう。

 写真(左)のようにステッカーが左上隅に貼り付けられていると、フロント用のサンシェードを取り付けるときに吸盤がステッカーに重なってしまい、フロントガラスにくっつかないのです。


 法律では、このステッカーは貼らなくてもよいそうなのですが、「フロントガラスの上から5分の1以内の位置で、運転者の視界の妨げにならないところに貼り付ける」ということになっているらしいので、写真(右)のような位置に貼り直しています。

 日が経つと粘着剤が固くなってはがしにくくなるので、できるだけ早く貼り替えます。その際、1か所だけ月の数字が残っている部分(ここだけは、ステッカーがフロントガラスに貼りついていない)がありますから、そこに爪を差し込んでゆっくりとはがしていくのがコツです。慌ててはがすと破れてしまいます。